2013年10月30日水曜日

伐る 割る 干す 焚く



この季節、どこかでそれらしい煙突がある家があったら、近くを歩いてみてください。
プーンと、焦げたような懐かしいような匂いがしたら、そのお宅では薪ストーブに火が入ってるはずです。

わが家も初シーズンの火が入りました。
まだ全開で焚いてるわけではありませんが、暖房が必要なほど寒くはないけど、つい火を熾してしまうのは、薪ストーブにはあったまる以上の楽しみがあるからでしょうか。

さて、前々回もご紹介したようにうちの主燃料は、創の家の建築現場で生まれた端材です。それらは長さを揃えればすぐ燃やせる状態ですが、通常、薪を整えるにはそれなりの労力と時間が必要です。

まずは木を伐る。山から伐り出すのは別として、その後にも丸太をちょうど良い長さに伐る「玉切り」という作業が必要です。
うちのストーブは窯内部の幅が40cmほどなので、それ以下の長さに伐る。




その後は玉切りしたものを斧で割る。
パコンパコン割れます・・・といいたいところですが、直径が15cmを超えると一発では割れません。
そうした場合は楔を使い割ってからさらに2分割。
太い幹や二又に枝分かれした部分を割るのは大変だけど、それ以外は気持ちよく割れます。パコンパコン。

さて、気持ちよく割れた薪は、よく乾燥するまで待たなければなりません。
この7月に伐採したサクラ材は、薪にできるほど乾燥してないので、使えるのは来シーズンでしょうか。

うちでは立派な薪棚も完成しました。それは棚というよりほぼ小屋に近い存在感です。
これならワンシーズン分の薪が収納できそうです。

スイッチひとつであったかくなる空調機とは違い、薪ストーブであったまるには、伐って、割って、干して、焚く作業が必要です。
そんなのめんどくさいといえばそれまでですが、そんな手間を楽しむのも薪ストーブならでは。
考えてみると薪ストーブには、道具を使いこなす楽しみがあります。
だから男の子がハマってしまうのでしょう。








2013年10月15日火曜日

窓辺をいろどる



真っ白な外壁を、文字通り華やかにする「フラワーボックス」。
わが家の外観は、軒天などところどころに見える木が温かみを感じされてくれますが、
白壁にサッシ枠のシルバーだけではなんだか殺風景。

そんなわけで、2階の窓にフラワーボックスが欲しいとは設計当初からのオーダーでした。

住宅地では窓辺の風景は決して良い眺めだけではありませんが、これなら無粋な風景もいい感じにしてくれるし、窓を開けてすぐ草花の世話ができます。




よく欧風の家では鉄やステンレスでつくったデコラティブなものを見かけますが、いまどきの木の家にはマッチしません。

木の家にマッチするシンプルな造形ながら、野暮ったくならないこと。
そんなコンセプトに沿うために前板と底板はヒノキで誂え温かみを感じさせながら、
壁からのアームは、オリジナルのものをステンレスでつくってもらいました。

アームは、派手な造形ではないので取付けると目立たなくなりますが、よく観察するとシンプルな構造の中に、ステンレス加工の高い技術が見受けられます。

壁と前板に接合する台座とアームは直角になるので、溶接加工をしても不思議はないのですが、曲げ加工にすることでシャープな印象を確保しています。しかもアーム部分の板は中抜きにしているので、デザイン的な重々しさがない。




うーーむ。。見れば見るほど考えられた造形です。

ほんとうはもっと鉢植えの草花を置きたいのですが、育てるタイミングを外したので、賑やかにするのは次の季節の楽しみに。

それより何より、明日は台風で大荒れらしいので、鉢植えを避難させなければ。


2013年10月8日火曜日

冬じたく








自宅前に積まれた木材の山。
これは自宅と創の家の建築現場で生まれた端材です。

数cm角から1mをこえる木材までバラバラ。
そのため細かい端材はカゴに入れていますが、その数すでに16。
不揃いの細かい端材はまだあるので、すべてを入れようと思うとカゴは20をこえてしまいます。

で、この端材をどうするかといえば、すべて薪ストーブの燃料になります。

薪ストーブって薪代が大変でしょ?
と聞かれますが、こうして端材をいただいてくれば燃料代はかかりません。

調湿性や香り、肌ざわりが良いとか、手入れ次第で長く使えるとか、このブログでは無垢材の良さを紹介していますが、端材も燃料として使えるのも魅力。

ちなみに、合板や新建材は化学物質を含むので薪ストーブには厳禁です。

さて、現場で生まれる端材はスギやヒノキがほとんどですが、針葉樹は空気層が多く材質が比較的柔らかい。ゆえに燃えやすいという特長があります。

一般的に薪材として売られているのは、ナラ、クヌギなど広葉樹ですが、それらは堅いゆえに燃えにくい。ただし、着火すれば長い時間をかけて燃えます。
パッと火がついてあっという間に燃え尽きるスギとは比べものになりません。

薪ストーブユーザーは、広葉樹に目がないのですが、そればかりじゃ燃料代がかかりすぎる。そうした意味でも建築端材を使うのはエコでお得な選択なんです。

いよいよ薪ストーブのシーズンになってきました。
自宅前に積まれた端材でひと冬越せるのか?それより前に薪棚をつくって薪を整理しなければ。。。

そんな不安を覚え始めた先週のこと、うれしいプレゼントが届きました。

大きめの段ボール8箱にみっちり詰め込まれた薪材。しかもケヤキです。

これならゆっくりゆらゆら燃える炎を長く楽しめるでしょう。



はたして8箱のケヤキの薪はどれくらいもつのか。
大事に使わねばと思う秋の日です。


自宅のストーブ「morso」購入のおまけでいただきました